2020年02月27日

健保・厚年の被保険者要件の整理1(適用事業所)

 健康保険。厚生年金保険(以下、健保・厚年と略す)の被保険者となるためには、事業所要件と労働条件要件を満たす必要がある。
 事業所要件というのは、「適用事業所」かどうかということである。原則として、適用事業所に勤めている必要があるが、例外的に、適用事業所に勤めていなくても被保険者になることができる場合がある。
 なお、下記のように、法人の事業所は業種、人員規模を問わず適用事業所となる。つまり、株式会社など法人に勤めていれば、事業所要件は満たしている。個人事業所の場合は一定の制約がある。

適用事業所
 健保・厚年の適用は事業所単位であり、適用される事業所の要件が定められている。
 ただし、適用事業所に該当しなくても、一定の要件を満たしていれば適用事業所となることができる。「任意適用事業所」といわれる。
 適用事業所は法人と個人とで扱いが異なっている。
 法人は業種、人員規模を問わず適用事業所となる。
  個人の場合は、特定の業種(いわゆる法定16業種)かつ常時5人以上の従業員がいれば適用事業所となる。法定16業種でないか、法定16業種でも従業員5人未満だと適用事業所とはならない。この場合は任意適用事業所となる方法がある。
 法定16業種は、次の業種以外はほぼ対象となっている。
 除外業種・・・農林水産業等の第一次産業、飲食、理美容等のサービス業の一部、弁護士、公認会計士等の法務関係業と宗務業など。
 以上は健保・厚年共通の適用事業所だが、厚年独自の適用事業所として、一定の船舶がある。この場合は船舶所有者が適用事業所の事業主となる。

 適用事業主に勤め、一定の要件を満たせば健保・厚年の被保険者資格を取得する。雇用主は従業員の資格取得の届出義務がある(健保法48条、厚年法27条)。届出義務を怠ると罰則(六月以下の懲役又は五十万円以下の罰金)の対象となる(健保法208条、厚年法102条)。


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Posted by 青山拓水 at 07:12│Comments(0)年金健康保険
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