2020年03月21日

健保・厚年の被保険者要件の整理5(適用除外)

 健保、厚年共通で被保険者とならないもの(適用除外)として次の場合がある。

a 臨時に使用される者であって、「日々雇い入れられる者(一月を超えて引き続き使用されるに至った場合を除く)」または「二月以内の期間を定めて使用される者(所定の期間を超え、引き続き使用されるに至った場合を除く)」
b 所在地が一定しないものに使用される者・・・巡回興行(サーカス等)、養蜂業などが該当とされる
c 季節的業務に使用される者(継続して四月を超えて使用されるべき場合はを除く)・・・スキー場、除雪、清酒製造(杜氏業務)など季節によってなされる業務
d 臨時的事業の事業所に使用される者(継続して六月を超えて使用されるべき場合を除く。)・・・博覧会など

 以上は健保法3条、厚年法12条の定めによる。条文の文言にいささかの差異はあるが取り扱いは同じようである。


 両条では上記以外の適用除外の規定もあるが、細かくなるのでここでは省き、健保で日雇特例被保険者であれば上記の適用除外に含まれないとされているので、それについて触れたい。

 日雇特例被保険者は健保法3条2項で、「「日雇特例被保険者」とは、適用事業所に使用される日雇労働者をいう。ただし、後期高齢者医療の被保険者等である者又は次の各号のいずれかに該当する者として厚生労働大臣の承認を受けたものは、この限りでない。」と定められている。(条文中の但し書きについては後述。)
 日雇特例被保険者以外の被保険者は「一般被保険者」と称されることが多い。

 日雇労働者については、健保法3条8項で次のように定められている。
a 日々雇い入れられる者(同一の事業所において、一月を超えて引き続き使用されるに至った場合を除く)
b 二月以内の期間を定めて使用される者(同一の事業所において、所定の期間を超え、引き続き使用されるに至った場合を除く)
c 季節的業務に使用される者(継続して四月を超えて使用されるべき場合を除く。)
d 臨時的事業の事業所に使用される者(継続して六月を超えて使用されるべき場合を除く。)

 なお、a、bについて、所在地の一定しない事業所において引き続き使用されるに至った場合は除外されず日雇労働者となる。

 ただし、後期高齢者医療の被保険者等である者又は次のいずれかに該当する者として「厚生労働大臣」の承認を受けたものは、除かれる。


 次のいずれかとは、「適用事業所において、引き続く2月間に通算して26日以上使用される見込みのないことが明らかであるとき」、「任意継続被保険者であるとき」、「その他特別の理由があるとき」である。
 このうち、26日以上とあるのは、日雇特例被保険者が保険給付を受けるについては就労日数が2ヶ月で26日以上又は6ヶ月で78日以上という要件があるためである。

 なお、手元の解説書には、特別の理由として、次の場合が載っている(昭34.7.7保発58号、昭和35.8.18保発59号)
a 農業、漁業、商業等他に本業を有する者が臨時に日雇労働者として使用される場合
b 社会保険各法の被扶養者である昼間学生が休暇期間中にアルバイトとして日雇労働に従事する場合
c 社会保険各法の被扶養者である家庭の主婦その他の家事専従者が、余暇を利用して内職に類する日雇労働に従事する場合であって、日雇労働に従事することを常態としていない場合


 以上から、一般被保険者の適用除外と日雇特例被保険者とは要件が概ね逆になっており、一般被保険者にならなくても日雇特例被保険者として健保に加入できる道があることが分かる。


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Posted by 青山拓水 at 11:33│Comments(0)年金健康保険
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