2019年04月30日
働くときの公的保険【1】雇用保険<05>
雇用保険の離職票について。
退職理由の傾向については、大雑把だが、厚生労働省「平成30年就労条件総合調査の概況(第22表)」(*1)によると、退職理由が会社都合5.4%、自己都合22.8%などとなっている(平成29年1年間における勤続20年以上かつ45歳以上の退職者がいた企業についての割合)。
特定受給資格者や特定理由離職者で分かるように、離職理由によって所定給付日数が異なっており、離職理由は基本手当の受給額を決める重要な要素になっている。
労働者が雇用保険の被保険者でなくなると、事業主は10日以内に「雇用保険被保険者資格喪失届」に「雇用保険被保険者離職証明書」等の書類を添えてハローワークに提出しなければならない(雇用保険法施行規則7条1項)。
離職証明書には、離職理由について細かに分類されたページがあり、事業主が該当箇所に印をつけるようになっていて、これで離職の具体的理由が指定される。このページの下の方に、離職者がこれについて異議の有無等を記入する欄がある。
「離職理由の判断手続きの流れ」(*2)を見ると、離職証明書の提出を受けたハローワークは「離職票−2」を事業主に交付し、事業主はその「離職票−2」を離職者に交付、離職者はこれを自己の住所地管轄のハローワークに提出して求職の申し込みをし、受給資格の決定を受けることとなっている。
以上の各書類の様式は、雇用保険法施行規則の末尾に示されている(例えば、雇用保険被保険者資格喪失届は様式第四号)。
手続きの概要は(*3)で離職者側の立場からもう少し詳しく示されている。
なお、雇用保険法施行規則19条1項では、「基本手当の支給を受けようとする者・・・は、管轄公共職業安定所に出頭し、離職票に運転免許証その他の基本手当の支給を受けようとする者が本人であることを確認することができる書類(当該基本手当の支給を受けようとする者が離職票に記載された離職の理由に関し異議がある場合にあつては、当該書類及び離職の理由を証明することができる書類)を添えて提出しなければならない・・・。」としている。
つまり、記載されている離職理由について異議がある場合は、そのことを証する書類を用意する必要がある。
基本手当受給に必要な離職票がなかなか離職票が届かないということがあるが、この流れがどこかで滞っているということである。
雇用保険法施行規則7条2項を見ると、「事業主は、前項の規定により当該資格喪失届を提出する際に当該被保険者が雇用保険被保険者離職票(様式第六号。以下「離職票」という。)の交付を希望しないときは、同項後段の規定にかかわらず、離職証明書を添えないことができる。ただし、離職の日において五十九歳以上である被保険者については、この限りでない。」となっている。59歳未満なら離職票が必要かどうかおそらく聞かれると思われるが(例えば、すでに転職先が決まっていれば不要であろうから)、その時に交付を求める意思表示が伝わっていないことがあるかもしれない。会社の手続きが進んでいない理由はその他にもあるかもしれない。単なる失念、事務の停滞など。
雇用保険法83条は、六箇月以下の懲役又は三十万円以下の罰金の対象を列挙していて、4項は「第七十六条第三項(同条第四項において準用する場合を含む。)の規定に違反して証明書の交付を拒んだ場合」としている。
そして、第七十六条第三項は「離職した者は、厚生労働省令で定めるところにより、従前の事業主・・・に対して、求職者給付の支給を受けるために必要な証明書の交付を請求することができる。その請求があつたときは、当該事業主・・・は、その請求に係る証明書を交付しなければならない。」となっている。使わないにこしたことはないが、こういう条項があることは知っておいてよいだろう。
離職票がなかなか来ない時は、会社やハローワークに問い合わせて早めに解決したい。
(*1)https://www.mhlw.go.jp/…/rou…/jikan/syurou/18/dl/gaikyou.pdf
(*2)https://www.hellowork.go.jp/ins…/insurance_basicbenefit.html
(*3)https://www.hellowork.go.jp/insurance/insurance_guide.html
退職理由の傾向については、大雑把だが、厚生労働省「平成30年就労条件総合調査の概況(第22表)」(*1)によると、退職理由が会社都合5.4%、自己都合22.8%などとなっている(平成29年1年間における勤続20年以上かつ45歳以上の退職者がいた企業についての割合)。
特定受給資格者や特定理由離職者で分かるように、離職理由によって所定給付日数が異なっており、離職理由は基本手当の受給額を決める重要な要素になっている。
労働者が雇用保険の被保険者でなくなると、事業主は10日以内に「雇用保険被保険者資格喪失届」に「雇用保険被保険者離職証明書」等の書類を添えてハローワークに提出しなければならない(雇用保険法施行規則7条1項)。
離職証明書には、離職理由について細かに分類されたページがあり、事業主が該当箇所に印をつけるようになっていて、これで離職の具体的理由が指定される。このページの下の方に、離職者がこれについて異議の有無等を記入する欄がある。
「離職理由の判断手続きの流れ」(*2)を見ると、離職証明書の提出を受けたハローワークは「離職票−2」を事業主に交付し、事業主はその「離職票−2」を離職者に交付、離職者はこれを自己の住所地管轄のハローワークに提出して求職の申し込みをし、受給資格の決定を受けることとなっている。
以上の各書類の様式は、雇用保険法施行規則の末尾に示されている(例えば、雇用保険被保険者資格喪失届は様式第四号)。
手続きの概要は(*3)で離職者側の立場からもう少し詳しく示されている。
なお、雇用保険法施行規則19条1項では、「基本手当の支給を受けようとする者・・・は、管轄公共職業安定所に出頭し、離職票に運転免許証その他の基本手当の支給を受けようとする者が本人であることを確認することができる書類(当該基本手当の支給を受けようとする者が離職票に記載された離職の理由に関し異議がある場合にあつては、当該書類及び離職の理由を証明することができる書類)を添えて提出しなければならない・・・。」としている。
つまり、記載されている離職理由について異議がある場合は、そのことを証する書類を用意する必要がある。
基本手当受給に必要な離職票がなかなか離職票が届かないということがあるが、この流れがどこかで滞っているということである。
雇用保険法施行規則7条2項を見ると、「事業主は、前項の規定により当該資格喪失届を提出する際に当該被保険者が雇用保険被保険者離職票(様式第六号。以下「離職票」という。)の交付を希望しないときは、同項後段の規定にかかわらず、離職証明書を添えないことができる。ただし、離職の日において五十九歳以上である被保険者については、この限りでない。」となっている。59歳未満なら離職票が必要かどうかおそらく聞かれると思われるが(例えば、すでに転職先が決まっていれば不要であろうから)、その時に交付を求める意思表示が伝わっていないことがあるかもしれない。会社の手続きが進んでいない理由はその他にもあるかもしれない。単なる失念、事務の停滞など。
雇用保険法83条は、六箇月以下の懲役又は三十万円以下の罰金の対象を列挙していて、4項は「第七十六条第三項(同条第四項において準用する場合を含む。)の規定に違反して証明書の交付を拒んだ場合」としている。
そして、第七十六条第三項は「離職した者は、厚生労働省令で定めるところにより、従前の事業主・・・に対して、求職者給付の支給を受けるために必要な証明書の交付を請求することができる。その請求があつたときは、当該事業主・・・は、その請求に係る証明書を交付しなければならない。」となっている。使わないにこしたことはないが、こういう条項があることは知っておいてよいだろう。
離職票がなかなか来ない時は、会社やハローワークに問い合わせて早めに解決したい。
(*1)https://www.mhlw.go.jp/…/rou…/jikan/syurou/18/dl/gaikyou.pdf
(*2)https://www.hellowork.go.jp/ins…/insurance_basicbenefit.html
(*3)https://www.hellowork.go.jp/insurance/insurance_guide.html
2019年04月20日
働くときの公的保険【1】雇用保険<04>
雇用保険の基本手当の所定給付日数について。
基本手当の給付額は基本手当日額と所定給付日数で決まる。
基本手当日額は賃金日額をもとに計算する(雇用保険<03>参照)。
所定給付日数は雇用保険の被保険者として働いていた期間と離職理由によって定められている(*1)。
ここの表を見ると、特定受給資格者に該当すると、被保険者として働いた期間が20年以上ある場合は所定給付日数は年齢区分によって240日から330日などとなっている。特定受給資格者は、主に倒産、解雇等(パワハラ、セクハラによる退職も含まれている)により離職を余儀なくされた人である。
特定理由離職者は、(1)有期労働契約で更新がされなかった場合(雇い止めされた場合)と、(2)倒産や解雇以外でもやむなく離職したと認められる場合が挙げられており、(1)の場合は所定給付日数が特定受給資格者と同様となる。
就職困難者(*2のQ4参照)の場合は被保険者期間が1年以上で300日あるいは360日などとされている。
通常の自己都合退職などで以上に該当しない場合は、被保険者期間が20年以上あっても所定給付日数は年齢にかかわらず一律150日である。
ただし、重要なことがある。受給要件(*3)である。そもそもこれに該当しないと基本手当を受けることはできない(雇用保険<03>参照)。それは、(1)労働の意思及び能力があること、(2)被保険者期間要件の二つである。
受給要件の(2)は、「離職の日以前2年間に、被保険者期間(※補足2)が通算して12か月以上あること。ただし、特定受給資格者又は特定理由離職者については、離職の日以前1年間に、被保険者期間が通算して6か月以上ある場合でも可。」となっている(*3)
(*1)https://www.hellowork.go.jp/insu…/insurance_benefitdays.html
(*2)https://www.hellowork.go.jp/member/unemp_question02.html
(*3)https://www.hellowork.go.jp/ins…/insurance_basicbenefit.html
基本手当の給付額は基本手当日額と所定給付日数で決まる。
基本手当日額は賃金日額をもとに計算する(雇用保険<03>参照)。
所定給付日数は雇用保険の被保険者として働いていた期間と離職理由によって定められている(*1)。
ここの表を見ると、特定受給資格者に該当すると、被保険者として働いた期間が20年以上ある場合は所定給付日数は年齢区分によって240日から330日などとなっている。特定受給資格者は、主に倒産、解雇等(パワハラ、セクハラによる退職も含まれている)により離職を余儀なくされた人である。
特定理由離職者は、(1)有期労働契約で更新がされなかった場合(雇い止めされた場合)と、(2)倒産や解雇以外でもやむなく離職したと認められる場合が挙げられており、(1)の場合は所定給付日数が特定受給資格者と同様となる。
就職困難者(*2のQ4参照)の場合は被保険者期間が1年以上で300日あるいは360日などとされている。
通常の自己都合退職などで以上に該当しない場合は、被保険者期間が20年以上あっても所定給付日数は年齢にかかわらず一律150日である。
ただし、重要なことがある。受給要件(*3)である。そもそもこれに該当しないと基本手当を受けることはできない(雇用保険<03>参照)。それは、(1)労働の意思及び能力があること、(2)被保険者期間要件の二つである。
受給要件の(2)は、「離職の日以前2年間に、被保険者期間(※補足2)が通算して12か月以上あること。ただし、特定受給資格者又は特定理由離職者については、離職の日以前1年間に、被保険者期間が通算して6か月以上ある場合でも可。」となっている(*3)
(*1)https://www.hellowork.go.jp/insu…/insurance_benefitdays.html
(*2)https://www.hellowork.go.jp/member/unemp_question02.html
(*3)https://www.hellowork.go.jp/ins…/insurance_basicbenefit.html