2024年02月09日

NISAで1,300万円消えた・・・




 こんな記事が載っていた(https://news.yahoo.co.jp/.../94959744ad22a0146720f7740992...)。

 1,300万円が10年弱でなくなったというから、元手1,300万円、期間10年の有期年金だった、との見方もできる。
 仮に、運用・受取期間10年、原資1,300万円、運用利率3%として資本回収係数で計算(https://keisan.casio.jp/exec/system/14289016360617)すると、年金額は約152万円、月額では12万台後半となる。
 公的年金が月25万円ということなので、足すと37万円台、よく引用される生命保険文化センターのサイト(https://www.jili.or.jp/lifeplan/lifesecurity/1141.html)では、ゆとりある老後生活費は平均37.9万円となっているので、ほぼ良い暮らしが送られていたのではないか、と推察される。

 ところが、「70歳になる直前に・・・1,300万円が消えた」ということが分かって、びっくり仰天どころではなくなってしまった、というのである。

 そもそも投資信託は玉石混交、その上、金融機関で勧められる投信には碌なものがない、というのが通説なのだが、そのブラック投信に1,500万円もつぎ込んだというのだから、こちらもびっくり仰天を通り越した。
 さらに驚いたのは、「NISAは初年度の120万円分の枠のみ使用し、1,500万円のうち1,380万円はNISAを使わずに一括で投資していた」というのである。

 もっとも、トータルリターンは「15%程度のプラス」というのであるが、「元本を取り崩した分の分配金を、すべて普通分配金と考えて使ってしまっていた」という。虎の子の退職金の相当部分を10年弱で費消、あるいは浪費してしまった、ということである。
 一方、金融機関は投信販売で儲かっている。「販売時と保有時に・・・資産から引かれていく手数料も高額」とある。
 悲劇というべきか。

 退職後に投資デビューというのがいかに危険か、若いうちに痛い思いをしていれば回復期間は長いのだが、残された時が短い年齢で大きな痛手を被ると、再起不能になるやもしれない。

 かくいう私も投信に手を染めた頃は毎月分配に目が眩んで色々買い求めた。分かったことは、分配回数と分配金が多いほど、基準価格の下落速度は速い、ということだ。
 ただし、旧NISAから新NISAへの切り替え時に意外だったのが、毎月分配でも購入時より基準価格が上がっていたものがあったことだ。また、米国株式連動インデックスはなんと3.5倍になっていた。

 記事には「どういった商品でどの程度手数料が発生するかをしっかり理解」とある。この種の記事で常套句であるが、頭で理解しただけでは難しい。実地経験がないと身につかない。車の運転や水泳と同じだ。
 投資のルールというものを若いうちからコツコツと身につけていきたいものだ。

 さて、ランチも当たり外れがある。評判を聞いて初めて行った豊川の中華楼は、まずまず。ナビで初めて入った麺類食堂は、駐車場も混んでいてはやっていたのだが、私にとってはハズレだった。
 何事も経験であるのは、投資と同じかも。  


Posted by 青山拓水 at 17:53Comments(0)FP

2024年01月27日

年齢階級別1人当たり医療費(令和元年度)

 厚生労働省のサイトに「参考5 年齢階級別1人当たり医療費(令和元年度)(医療保険制度分)」という資料があった(https://www.mhlw.go.jp/content/nenrei_r01.pdf) 。
 これを見る限り、通常の医療費はそれほど多く貯金がなくても賄えることがうかがえる。また、毎月の保険料は、これに上乗せで民間保険会社の医療保険に入って保険料を増やすことに見合った利得があるかどうか、考える際のポイントの一つになる。
 お金は貯めるより使うほうが難しいという。限りある収入をどのように振り分けるか、改めて考えてみたい。
 この資料には入院した場合の医療費なども載っているが、3割負担や高額療養費を考慮すると、驚くような金額ではない。
 なお、 保険料を含めた負担額は現役世代>高齢者、医療費は逆に現役世代<高齢者となっているのが気になる。公的医療保険制度の問題点がここにも現れている。  


Posted by 青山拓水 at 20:27Comments(0)FP

2024年01月24日

保険の点検



「不安を安心に変えるための費用は、合理的判断ができないと高くつく」というのは、保険についてのことである。

 保険というのは、(1)滅多に起こらないが、(2)起こった時に多額の負担が生じうる、(3)その時に備えて多数の人が少しずつお金を出し合って対応する、というのが基本である。

 損害保険では火災保険や自動車保険、生命保険では死亡保険等はその代表例である。

 ところが、この保険の原則で、(1)について、滅多に起こらないのではなく発生頻度が割と高い、(2)について、多額の負担というわけではく貯金で対応可能な額、にもかかわらず、このような場合に保険で備える場合が、実は結構ある。医療保険などにはそういうものが多い、というのが、私自身の経験からもいえることである。健康に関することなので、冷静合理的な判断が難しい、ということもあろうが、気をつけたい。

 保険料は固定費であり、家計の見直しは固定費から、というのが定石、であれば、随時保険の点検を行うべきである。

 NISAの切り替えで旧NISA を一旦解約したが、米国株式指数連動ファンドは3倍以上になっていた。ロールオーバーを1回やっているので、10年近くで3倍、というのはかなりのものだ。仮に100万円やっていれば300万円以上になっていたことになる。ここまで伸びるとは思いもつかなかったし、そもそも軍資金もない。これを思うと、過剰な保険に入っていると気がついた方は、思いっきり見直したほうが良い、と思われてならない。

 さて、先日、知立の「みさ穂」という店で昼食をとった。ここは初めてである。 そばにこだわりがある。ここでないとこういうそばはいただけない、と思った。駐車場に難有り、がいささか気にはなるが、割と人気の店のようである。  


Posted by 青山拓水 at 21:03Comments(0)FP

2024年01月14日

オフィス惠愛堂

・・・ 特定社会保険労務士・FP事務所 オフィス惠愛堂 ・・・

 健康、経済、心、これは人生の三本柱です。大切にしていきましょう。

 弊事務所の名称は、代表者の氏名 岩手 清 のイニシャル(K.I.・・・kiyoshi Iwate)から命名しました。

・・・弊事務所について・・・

 弊所は、資産管理(+運用)の自走力をつけていただくことを念頭に置いています。

 お金に関する問題(不安)については、まずは収支予想を視覚化することが有効です。
 そこで、弊所では、ご相談をお受けすると、収支予測をグラフにすることから始めていきます。

・・・お金のルールについて・・・

 お金に関する不安、悩みというのは、実に様々で、複雑でもありますが、お金には、交通法規と同じように、様々なルールがあります。

 例えば、車は便利です。危ないから使わない、という人もいますが、ほとんどの人はリスクがあっても免許を取り運転しています。
 交通法規を守り、安全運転を心がけること、車検などの点検整備をきちんと受けること、保険に入ることなど、大切なことは色々とあります。こうして、安全を確保しつつ、車の利便性を大いに活用しています。
 同様に、投資は危ないからと利用しない方もいますが、お金に関する様々なルールに則っていれば、投資や保険でも、安全運転が可能になり、一定の成果が得られるようになってきます。
 
 昨今はiDeCo、NISA、ファンドラップなど、横文字全盛で、複雑な金融商品が多くなっています。運用の仕組みや費用(口座管理手数料や信託報酬等)など各商品の内容や特徴をよく理解しておく必要があります。ネットでも様々な情報を得ることができますが、これらを基に、ご自身で主体的に取捨選択していただけるようになっていただきたいと思います。

 投資のルールの一つに、分散があります。これに外れていると、時に大変なことになってしまいます。例えば、ある電力会社の株式一本に絞って数千万円をかけていた、という方が報道されていました。投資は分散すべきなのです。
 投資被害に遭ったというニュースに接しますと、仕組みのよく分からないものには手を出さない、また、リターンの大きなものはリスクも大きく要注意、といったルールに反しているのではないか、と思われます。

 退職金が入って金融機関で投資デビュー、という方もおられますが、投資は一定の経験と知識がないと大けがする場合があります。定年まで投資経験がない方は金融機関にとっては上客、なのかもしれませんが、大切な退職金、まさに大切にしたいものです。
 一定の経験と知識があっても安全運転ができるかどうか、という投資の世界独特の世渡りのスキル、これは運転経験の蓄積と同様、時間をかけ様々な経験を経てじっくりと育てるものだと思います。投資でも自動車学校のように学びと場内実地から始め、仮免で外に出て・・・と、徐々に慣れるようにしていくのが良いのではないでしょうか。
 また、お金は貯めるより使う方が難しい、ともいわれます。上手に貯めて上手に使う、こういうようになりたいものです。

 ともあれ、お金のルールを知ることがはじめの一歩、です。
 次は、行動です。プランを実現するには、実践しなければ始まりません。いくら机上であれこれ考えても、畳水練の域を出ません。行動すること、実行に移すことで、見え方が豆電球からサーチライトに変わってきます。視界がうんと広がるのです。 

 弊事務所では、ご相談事項の問題点を整理し、ご自身で主体的に取り組んでいただけるようになっていただくことを目標にしております。目標に向かってプランを策定し前進していただけるようになっていただきたいと思います。

 将来の一定期間にわたる収支見込みを織り込んだライフプランを策定することが、AtoZ、強力な友となるでしょう。
 
・・・三大資金+相続・・・

 教育、住宅、老後にかかる資金は人生の三大資金といわれますが、例えば、賃貸住宅にお住まいの方が持家取得に住宅ローンを利用する場合、どのような点に注意すべきでしょうか。
 現在の収支状況、そして今後の収支の推移をいくつかの想定事項を基に複数作成して検討する、ということが考えられます。これは退職後の家計収支についても、同様といえるでしょう。
 そして、策定されたいくつかの想定パターンを基に、対応を考えていただくことになります。

 昨今話題になっいる相続の場合につきましては、法律、税金などの専門家への相談が必要となる場合がほとんどと思われます。専門家への相談に際しては、事前にご自身のお考え、希望を基に問題点を整理し、相談しやすいようにしておく必要があります。

 いずれにしても、問題点を明らかにし、整理してゆき、必要ならそれぞれの専門家に相談して意見、助言を求めることとなります。専門家に委ねることとなった場合におきましても、ご自身で主体的に取り組み判断していただく姿勢が必要です。

 弊所はそのお手伝いをすることを業務の柱としております。

 ・・・ライフプランについて・・・

 月々の定収を日々の生活費に充て、備えは貯蓄で、これがライフプラン策定の要です。
 ライフプランの検討には、収支モデルのグラフ化が有効です。
 例えば、収入と支出を折線で、その差を棒グラフで表しますと、推移が一目瞭然となります。
 仮に、5年後に車を買い換える所要額が250万円としますと、何をいくら増やしいくら節約するか、いろいろと机上で検討ができます。
 あるいは、90歳、95歳時点で預貯金などの資産がいくら残るのかも、視覚化ではっきりと分かってきます。
 この作業をコツコツと行う中で、いろいろなことが浮かんでくるでしょう。
 
 ・・・年金を柱に、プラスアルファを・・・
 
 人生100年時代に対応できるのは定期的に終身受給できるもの、例えば終身年金、その代表格はやはり公的年金、長い老後の経済を支えます。

 公的年金につきましては、将来の年金見込額を始め、年金の繰上げ繰下げの留意点など、知っておきたいことは色々とあります。
 公的年金につきましては、日本年金機構のHPや書籍等参考になるものは多々あります。まずはご自身で理解に努めていただく姿勢が大切です。

 また、公的年金を補完するものとして、個人型確定拠出年金(iDeCo)、個人年金保険、財形年金、企業年金などの、年金という言葉が付いた様々な金融商品があります。
 株式や投資信託などで資産形成を図ることもあるでしょう。

 これら多数の金融商品は、ご自身できちんと理解し判断して取捨選択しなければなりません。

・・・長く働く・・・

 年齢にかかわらず、就業の機会があれば前向きに取り組む姿勢も肝要です。非常勤や短時間、不定期でありましても、働くことは健康の維持増進にも有益です(*1)。

 労働基準法や労働・社会保険(雇用保険、健康保険等)などの、働くときの基礎知識も備えておけば、いざという時に限らず、普段においても有用です。

・・・まとめ・・・
 
 日々の生活費は月々の定例収入で、備えは貯蓄で、これが健康家計の第一歩です。

 リタイア後の糧は、年金や株式の配当などの「定期収入」と安全弁としての一定の「貯蓄」となりましょう。これらはなるべくリタイア前に充実させておきたいものです。人生後半の主要な経済基盤となります。
 また、定年後においても働くことができればさらにいいでしょう。

 長く働く、年金・健保など公的保険の最大限活用、きちんとした収支管理、投資なら堅実運用、これらが豊かな人生の原動力、「安定」を支えます。
 もちろん、それには健康第一です。
 健康、経済、心、これは人生の大切な3Kです。

・・・先手必勝・・・

 この分野は先手必勝です。
 年金を基本としたライフプランを早目に組み立てれば、問題点に気づくのも早まり、対応可能な時間も確保できるでしょう。


(*1) 退職後の就労と健康については、例えば、「https://gooday.nikkei.co.jp/atcl/column/15/050800004/020500103/」をご参照ください。

・・・ご相談例・・・

 以下はご相談内容の一例です。

○家計の見直し&ライフプラン
 家計の健全化、合理化のヒントを見つけ、収支計画のしっかりしたライフプランを構築していきます。

○保険の見直し
 まずは公的年金・公的保険についてよく把握していただきます。その上で、不足の程度を推定していきます。
 そして、多くの場合、生命保険や損害保険の見直しも、ことに有効です。
 
 国民年金、厚生年金保険ともにさまざまな給付があります。
 健康保険、雇用保険、労災保険などの給付も多様です。
 生命保険や損害保険も、ご自身でよくよく咀嚼して人に説明できるくらいにしたいものです。
 これらを俯瞰しながら、補完必要額を考察していきます。

○給与明細書を探訪
 給与明細書には、基本給や時間外手当などの大切な労働条件に加え、所得税や住民税・保険・年金などライフプランの重要項目が満載です。労働条件の確認とともに、家計の健康管理や耐久性のある生活設計など、給与明細書を深耕しながら大切な情報を読み解いていきます。給与明細書の標準的な項目を素材にしますが、お手元の給与明細書をお持ちいただいても結構です。

○特定社労士業務
 パワハラ、残業代未払い、解雇・雇い止め等の労働トラブルのご相談。

・・・終わりに・・・

 これこれの問題がある、と思われた方は、もうその時点で好転を始めています。解決しようという意思が動き始めたからです。その動きを大切にしましょう。
 それが安定して進んでいけるよう、お手伝いできるべく、私も日々研鑽を積むようにしています。

 (お問い合わせ)Email : office.kei.ai.do@gmail.com  


Posted by 青山拓水 at 17:39Comments(0)FP

2023年11月03日

車計簿

 車が今度の車検で9年目となる。走行距離は12万キロを超えている。だいぶ部品交換が必要になって、ふと、購入以来の諸費用を計算しようと、これまでの数字を足していったら、あまりの額にびっくりした。もっと早く集計しておくべきだった。
 保険で約70万、税金で約30万、これに車検・維持費用を加えると、ものすごい額になった。
 保険は大きかった。なんとはなしにつけていた車両保険の免責額の見直しなど、車両保険の再検討は必至と感じた。

 住まいでは、所有か賃貸かという、良く話題になり、そして結論が定まらない大問題がある。
 車ではどうだろう。

 プリウスのサブスク(KiNTO)を見ると、グレードの低いUで、期間7年、オプションなしだと販売価格との差額が約72万、オプションを適当につけてみたら約92万となった。
 購入費用以外の維持費用である、税金・車検・その他メンテナンス料金は差額で出ていることになるが、果たしてこの額で足りるのだろうか。
 見方によっては、お得かもしれない。
 意外に、アクアの方がプリウスより料金が高く設定されていた。
 製造販売元が設定する価格なので、儲けがどのくらいになるように考えているのかわからないが、裁量の範囲は広いのではなかろうか。

 実際あと何年運転するのか、維持費用が嵩むに任せて乗り続ける、買い替える、サブスクにする、選択肢は色々。
 遅きに失したが、車の家計簿、家計に占める割合は大きいので、独立項目として集計してみると、家計の見直しにはかなり有効であろう、と思った次第である。  


Posted by 青山拓水 at 18:29Comments(0)FP

2023年05月06日

投資詐欺とライフプラン

 日経4/29の31面に「投資詐欺、標的はZ世代」という記事。
 「20〜30代をターゲットにした悪質な投資詐欺が相次いでいる。」という。
 詐欺に遭うのは高齢者ばかりではないのだ、と、ちょっと驚く。
 繁華街で大きな看板を出している、ちゃんとした(?)証券会社・銀行でもいろん話を聞く。
 投資経験のないままで、まして聞いたことのない先に、そもそも手を出すのはどうかと思うが。籠絡される危険甚だしいではないか。

 目的なしにお金を増やそうとしていると、こういう目に遭いやすいのではなかろうか。いってみれば、ライフプランのない、その隙をつかれる、という感じがする。

 ライフプランといっても、その前にライフデザインというものがある。
  例えば持ち家なら、展示場巡りなどして徐々に構想を具体化していく段階に相当するのがライフデザイン。
  間取りを検討する段階がライフプラン、資金計画を練る段階がマネープラン、という順になろうかと思う。
 なお、住宅ローンは長期に渡り、その間何が起こるかわからない。団信に入ることはもちろんだが、完済時までの収支試算表(キャッシュフロー表、CF表ともいう)を作っておくことを強くお勧めする。
 団信は付加できる特約が増えており、金融機関によって内容や保険料(金利に上乗せが多い)も異なる。変動、固定の選択とともに、よくよく考えたい。
 CF表は予想される大きな出費(進入学、耐久消費財の購入・買換、住宅の維持修繕、冠婚葬祭・・・)と収入(退職金等)を見込んで、ある時点で赤字になっても良いので、とりあえず作成し、必要なら固定費(保険料はじめ色々)などを見直し、黒字を確保できるようにしたい。

 人生の3大資金といえば住宅資金、教育資金、老後資金だが、大トリを務めるのは老後資金である。昨今はiDeCoが注目されている。
 終わりよければすべてよし、途中色々あったにせよ、安定した老後、そこへのプランは格別に重要である。
 資本回収係数(ネットで検索すればすぐに出てくる))などを使って、リタイア時までに貯めた資産をどう活用していくか、CF表で予想してみることも大切だと思う。

 ニッセイ基礎研究所の「確定拠出年金では何に投資したら良いのか?・・・」(2022年03月11日)、「確定拠出年金やNISAでは何に投資したら良いのか・・・」(2023年04月28日)というのが目に留まった。毎年この時期に似たような見出しで記事が出ているようだ。両年ともに同じ執筆者であり、「若い人ほど、もっとリスクの高い資産を多く配分すべきである」(前者)、「若い人は短期的な値動きをあまり気にせず、積極的にリターンが高い資産に投資すべきである」(後者)と、よく似た結論である。

 だが前者の最後には、「・・・確定拠出年金制度は積み立てるときに、個人が拠出する月々の掛け金は全額所得控除の対象となり、運用期間中、運用益が非課税となる税制優遇措置がある。・・・」とある。これは実に大切なことなのだが、残念ながら最後に出ている。さらにいうと、確定拠出年金制度でもう一つの重要事項である取扱金融機関に払う諸経費については、触れられていない。

 iDeCoやNISAの中心となるであろう投資信託には日毎に経費がかかる。つまり、すでにマイナス金利である。それに加えてiDeCoでは諸経費がかかる。それを見込んだ上で、投資商品を選択し、資金計画を立てて行きたいものである。

 ところで、「個人が拠出する月々の掛け金は全額所得控除の対象」ということは、すでに支払った所得税が還付されるということである。もともと所得税を払っていない人は関係がない。
 そして、所得税の還付額を収益と捉え、これを運用収益に含めるとすると、ほとんど運用収益の見込めない預貯金でも、それなりの運用益が確保できている、と見ることもできる。
 ただし、iDeCoの場合は受取時にも手数料が取られる、ということがある。積立満了となって受取りを始める段階になって、公的年金は偶数月支給なので、ではiDeCoからは奇数月に受取ろう、ということにした場合、年に6回も手数料が取られることになる。定期的にお金が口座に入るのは良いことだが、この手数料は曲者でバカにならない。色々考えると、受け取り回数は少ない方が良いだろうし、もとより自分の公的年金の充実を考えることも大切である。
 なお、預貯金といっても株や投信と違って万全かというと、そうではない。預金保険機構の機能は有限だし、預貯金といえどもインフレやデフレでその価値は日々変動している。もっともわずかなので年単位くらいでないとわからないほどだろうし、投信の基準価格と比べれば、まあ大したことはない。とはいえ、預貯金といえども万全ではない、ということは押さえておきたい。  


Posted by 青山拓水 at 17:39Comments(0)FP

2023年05月05日

公務員賠償責任保険

 あるHPに「公務員賠償責任保険」の案内が載っていた。こんなものが出ているとは知らなかった。
 民間に出向している時、役員賠償責任保険のことを知ったが、公務員にも必要な時代になったか。もっとも、民間企業の役員クラスに相当する職位の人が主要な対象ではあろうが。
 とはいえ、窓口対応や職員間のセクハラ、パワハラなども対象になっているということで、これらは管理監督者に限定されない。
 国賠法は「・・・公務員が、その職務を行うについて、故意又は過失によつて違法に他人に損害を加えたときは、国又は公共団体が、これを賠償する責に任ずる。」とし、「公務員に故意又は重大な過失があつたときは、国又は公共団体は、その公務員に対して求償権を有する。」とあるので、滅多なことでは個人として民事責任を負うことはないと思っていたが、保険が普及しているということは、それは過去のことで、今となっては都合の良い思い込みだったかもしれない。
 保険料は保険金額によって年払いで9,310円から2,570円までとなっている。
 保険料収入>保険金・事業経費という見込みがあって、つまりは、加入者が保険事業が成立する程度以上に見込まれると判断されたので、保険事業化されたのであろう。
 色々と難しい世になったものだ。  


Posted by 青山拓水 at 14:40Comments(0)FP

2023年04月21日

サイト短見

ーーー東京証券取引所「人生やりなおし体験」(*1)ーーー

 人生やり直し、一体そんなことができるのか、今更ここまできてやり直そうなどという気持ちも薄れているのだが。
 生命保険に入り過ぎて、保険料を個人年金の元資にしていればどんなに良かったか、くらいは浮かんでくる。返す返すも残念な過去である。
 「あなたは100万円を元金に、人生をやりなおすことができます。」・・・選んだ年に上場した会社を10社以内選んで、現在の株価を出してくれる、というのだ。
 こんなことか。案外単純で簡単な話だ。
 試しにやってみて、びっくりした。適当に選んだ10銘柄、配当金込みで約590万円、配当金なしで約490万円にもなっていた。
 終価係数のサイト(例えば*2)でやってみると、年利は配当金込みで約8.4%、配当金なしで約7.5%ほどになる。
 適当に選んだのだが、こんなに増えるとは。
 やはり、人生、やり直してみたい。

*1 https://jpx-game.com/simulation
*2 https://keisan.casio.jp/exec/system/14288998856258  


Posted by 青山拓水 at 21:01Comments(0)FP

2023年02月19日

2・11日経「マネーの学び」から・・・4番目は「遺産分割を確定」が重要語


 毎週土曜日は「マネーの学び」、4題(4ページ)ある。
 この週のトップストーリーは「新NISA、共働きのの活用術」、この種の記事では大事なことが末尾に出てくることが多い。今回も最後の段落、損切りと非課税メリット、必要経費は貯蓄で、売却時の時期分散などが載っている。
 次は高額療養費制度。ありがたい制度だが、まだまだ知られていないようだ。医療費基金(という名で)を自分で貯めておいてこの制度を使えば、民間保険会社の医療保険は不要、ということが書いてある本も複数ある。
 3番目は家具・家電のレンタル。賃貸住宅でもそうだが、長く借りると負担になる、とは一般論で、多くの場合はそうなのだが、一定期間後に買い取れる仕組みもあるそうだ。車にはそういうのがある。
 最後は相続。やはり大切なことが記事の最後、左下の表に集まっている。「遺産分割を確定して申告」というものである。色々な特例が説明されているが、相続税の申告期限までに確定できなければ特例は使えない。肝心要なのだが本文ではさりげなく触れている程度。相続人間で揉めれば最後。遺言書があれば、という事例は実に多いそうだ。しかも相続額が少ない場合に多いとも聞く。相続税の申告期限は10ヶ月。まとまらなければあっという間に過ぎてしまう。円滑迅速な相続には遺言書が必須だ。
  


Posted by 青山拓水 at 18:08Comments(0)FP

2023年02月16日

家計簿の効用

 使途不明金がなくなることが最大の効用である。
 相談事例には、よく何十万円もの使途不明金が見られる。
 保険の見直しなど、固定費の検討がまずは効果的ではあるが、使途不明金をなくすことも大切である。
 もう一つ、現金出し入れを毎日確認することも行いたい。
 退屈な作業だが、家計簿と現金収支を毎日つけることで、使途不明金退治につながる。
 後払いになるクレジットなどは支払日ごとに集計して備えておく。
 一定期間ごとに折れ線グラフや円グラフなどで視覚化することも面白い。しかし、これは二の次。
 支出の見直しを行うのに使途不明金があれば支障となる。
 一年前と比べてみるのも、時に有用。私の場合、電気代が倍になっているのを見て仰天した。どこか穴埋めできる策を思案中である。
 収支を補うものとして、株の配当など、NISAを活用した方策とか、個人年金とか、いくつか補給策を用意しておくことも考えたい。
 ともあれ、家計簿をつけることは収支把握・見直しの基礎の基礎である。
  


Posted by 青山拓水 at 17:32Comments(0)FP