2024年05月05日

あんぱんの皮

 小さい頃、あんぱんの皮が好きで、皮だけむいて食べていた。むくのは結構手間だ。ある時、全部むいたことがある。すると、目の前にふわふわの白い丸いものが現れた。それまで夢中でむいていたので気が付かなかったが、それはもうあのあんぱんではなく、美味しさは失われていた。
 美味しい皮を先に食べると不味そうになり、普通に口にすると皮の美味しさが分からず、さてどうしたものか、先に少し皮だけ食べて、あとは普通に食べることにした、ように思う。
 パンといえば、軽く焦げたような茶色の、薄いながらも歯応えのある皮が大事である。今はあちこちにパン屋さんができて時々利用するが、さまざまに凝った作りのものが多いのはそれはそれで良いと思うが、あの単純なあんぱんは、主役の座を降りて久しく、あってもすぐには見つけることはできない。
 あんぱんの皮をむいていた頃は世に出る遥か前で、何事もない平和な時だった。無論子供社会ならではの色々なことはあっただろうが、今にして思えば児戯である。
 細長いパン(コッペパンというそうだ)にジャムやらマーガリンやら挟んだ、いわゆる菓子パン、あの茶色の皮を見ると、美味しそうに見えて、よく買う。口にすると童心が蘇る。
 いつも買うのはスーパーで、大手メーカーの製品である。大量仕入大量生産で、配送費を入れてもあの値段になっている。輸入食糧が船賃を入れても国産よりなお安いのも道理だ。いいもの、気に入ったものはそれなりの価格がついている。色々気にはなるが、菓子パンはあの安っぽさも魅力の一つである。
 ところで、コッペパン、Wikipediaによると、「東日本ではパンの横腹を切って上下に開く「腹割り」、西日本では上部を切る「背割り」が多い」とのことで、初耳だし、「腹割り」だの「背割り」だのとは、物騒だ。
 さて、梅の実が初生り。三年ほど前に植えて、初めての冬は花が数輪という寂しさ。枝はどんどん伸びてあっという間に見上げるほどになったが、、花は少しずつしか増えず今年も大したことはなかった。それなのに実がなっていた。葉の色と同じなので見分けにくいが、数えると二桁には足りないようだ。2階のベランダあたりの高いところにもついていて、採れるだろうか。数は少ないので、梅酒にしても梅干しにしても、少ししかできないが、それでも、楽しみではある。

あんぱんの皮

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Posted by 青山拓水 at 19:19│Comments(0)ひねもす
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