2025年04月27日

変形労働時間制は取扱注意

 ハローワークの求人冊子は公共機関にも置いてあって、たまに見ることがあるが、毎度、変形労働時間制を採用している職場が多いことに気づく。
 この制度はややこしくて、中々きちんと運用することが面倒である、というのは私の個人的な受け止め方に過ぎないことではあるが、時々裁判に持ち込まれることもあるようだ。
 このほど目にしたのは、変形労働時間制の有効性などが争われた事件である。
 聞くところによると、判決は普通は原告X、被告Yとして紹介されるのだが、労働事件については会社名が出るのだそうだ。訴訟前に裁判外紛争解決手続制度(いわゆるADR)などによって解決を図るのもいいのではなかろうか。
 本件は、ChatGPTによる回答結果と、「Blog「弁護士が教える分かりやすい労働法!」」(*1)を参照した。
 ChatGPT及び上記サイトによると、原告は社会福祉法人幹福祉会が運営する特別養護老人ホームである。
 原告は「変形労働時間制が適法に導入されておらず、時間外労働に対する割増賃金が支払われていない」とし、被告は「1か月単位の変形労働時間制」を適正に導入しており、法定労働時間を超えていないから割増賃金は不要」とした。
 変形労働時間制については、就業規則で細大漏らさず定めなくとも良い、というのは周知のことだが、本件でも、「就業規則と勤務割表である月間スケジュールとを合わせて具体的な特定をすることも許容される」とされている。
 ただし、「就業規則において、月間スケジュールによる所定労働時間、始業・終業時刻の具体的な特定がどのようなものになる可能性があるか労働者の生活設計にとって予測が可能な程度の定めをする必要がある」ともされ、本件では、・・・・・・変形期間内の各週・各日の所定労働時間が・・・・・・特定されていたとはいえない、とされ、変形労働時間制は無効と判断された。
 本件では、変形労働時間制が適切に運用されておらず、労働者の労働時間管理の適正さが厳しく問われたものということだ。
 変形労働時間制はきちんと運用しないと間違ってしまいやすいので、よくよく注意して運用を心がけたいものである。
 さて、先日は久しぶりに豊川駅前の玉川うどんで、磯おろし。1,200円のところ1,100円。麺はうどん、そば、きしめんから選べる。この日はうどんとした。天ぷらは揚げたてに限る、といつも思うことである。

*1 https://suzukiyuta.jp/2025/02/04/case561/?utm_source=chatgpt.com

変形労働時間制は取扱注意


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Posted by 青山拓水 at 18:14│Comments(0)労働基準
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