2020年05月16日

休業手当整理3(休業手当のもとになる平均賃金の算定について等)

 休業手当の額は「平均賃金の百分の六十以上」(労基法26条)である。

 平均賃金は「算定すべき事由の発生した日以前三箇月間にその労働者に対し支払われた賃金の総額を、その期間の総日数で除した金額」である。

 休業手当の場合の「算定すべき事由の発生した日(算定事由発生日)」は、「その休業の日」である。休業が2日以上の場合はその初日である。

 「三箇月間」には「事由の発生した日」は含めないこととして取り扱われている。(厚生労働省労働基準局編 労働基準法 上 平成22年版 172ページ)
 例えば5月10日に算定事由が発生した場合は起算日5月9日となり、2月10日までの日数が「その期間の総日数」となる(閏年は1日多くなる)。「総日数」は暦日数であり、労働日数ではない。

 算定する場合に、次の日数とその間の賃金は除かれることになっている。
(A)業務上負傷し、又は疾病にかかり療養のために休業した期間
(B)産前産後で休業した期間
(C)使用者の責めに帰すべき事由によつて休業した期間
(D)育児休業又は介護休業をした期間
(E)試みの使用期間

 また、3ヶ月を超える期間ごとに支払われる賃金なども除かれる。

 平均賃金には最低保障があり、次の額を下まわってはならないとされている。
(1)賃金が、労働した日若しくは時間によつて算定され、又は出来高払制その他の請負制によつて定められた場合においては、賃金の総額をその期間中に労働した日数で除した金額の百分の六十。
 これは、日給、時間給、出来高給などの場合、算定期間中に休日、欠勤が多いと算定結果が低くなる場合が考えられることから、このようにされている。
(2)賃金の一部が、月、週その他一定の期間によつて定められた場合においては、その部分の総額をその期間の総日数で除した金額と上記(2)の金額の合算額。

 以上のほか、雇入後3ヶ月に満たない場合は、平均賃金の算定期間は雇入後の期間とされる等の例外的な算定方法も定められている。
 
  平均賃金が算定されれば休業手当はその60/100で出せば良いが、端数はどのように処理すれば良いのか。
 通達(昭22.11.5 基発232)によれば、銭未満の端数は切り捨てとある。
 神奈川労働局のサイト(https://jsite.mhlw.go.jp/…/saiteichingin_chi…/heikinchi.html)が参考になる。
 これによると、休業手当は円未満四捨五入(50銭未満切捨て、50銭以上切上げ)と記されている。

その他
 休業手当は労基法の賃金に該当し、同法24条の規定が適用されることから、所定の賃金支払日に支払われなければならない(昭25.4.6 基収207)。

 派遣労働者の場合の「使用者の責に帰すべき事由」は派遣元について判断される。(「派遣労働者に係る労働条件及び安全衛生の確保について(平成21年3月31日 基発第0331010号)」(https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc_keyword…」)

 休業手当未払いの使用者に対しては、裁判所は、労働者の請求により未払金と同額の付加金の支払いを命じることができる(労基法114条)。


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Posted by 青山拓水 at 19:58│Comments(0)労働基準
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