2019年02月11日

児童福祉一考

 児童虐待が気になって調べていたら、2017.5.5の日経(電子版)に、「虐待やネグレクトで「親権停止」最多83件 昨年」という記事が出てきた。
 5月5日はこどもの日である。国民の祝日に関する法律を見ると、「こどもの日 五月五日 こどもの人格を重んじ、こどもの幸福をはかるとともに、母に感謝する。」とある。この日にちなんで記事にしたのかどうか分からぬが、集計は最高裁で、「児童相談所長による申し立てが増えたことが要因」ということである。
 検索していると、平成25年度の親権停止事例を載せたものが出てきて、例えば「父親からの性的虐待のため児童福祉法 28 条により施設入所した。父親は逮捕され実刑となったが、虐待を否定している。父親の出所後に児童の引き取りを阻止し、その安定した生活を保障する必要があった。」というものが見られた。
 親権停止以外に、親権喪失、管理権喪失という措置がある。これらは民法によるもので、家裁の審判による。これとは別に児童福祉法では施設入所等について家裁の承認という手続きがあるようだ。
 児童に対する悪質な虐待事例についてはこうした法的措置が定められていて、暴力に立ち向かうことができるようになっている。
 児童は弱者である。話は飛ぶが、弱者といえば労働者も経営者に対しては弱者の立場という前提があり、労働基準法には「この法律で定める労働条件の基準は最低のものである・・・」という部分がある。
 児童虐待の防止等に関する法律は平成12年の制定となっている。この頃児童虐待が社会問題化していたのであろうが、制定の経緯を新聞で読んだような記憶も浮かんできた。ウィキペディアによると、前身は昭和8年制定の児童虐待防止法で(昔からこういう問題はあったことが分かる)、戦後児童福祉法に吸収されたものの、情勢悪化で改めて制定されることになったようだ。「何人も、児童に対し、虐待をしてはならない。」とあり、国及び地方公共団体の責務、児童虐待の早期発見、児童虐待に係る通告、通告又は送致を受けた場合の措置などが見られ、児童虐待に対する必要な事項が定められていて、児童福祉法や民法と相まって、法によって守られるべき最低限の正義が確保される制度ができていることが分かる。
 当然になされるべき職務権限の行使がなぜできないのか。なぜこんなひどい事案にも関わらず親権停止のような厳正な措置がとられなかったのだろうか。せっかく法が整備されていても、これでは宝の持ち腐れである。児相の負担が過大であることが一因とする報道もあった。それなら、親権停止を始めとする法的措置で対応すべき悪質な事案の基準を設け、法的措置は県庁に専任の担当者をおき、児相から随時ヒアリングをして、現場対応で手一杯な児相を支援する体制をとることも考えられる。
 滋賀県大津市では、学校でのいじめに対し、AIを活用して深刻化の予測をする取り組みを次年度から始めるという報道が最近あった。予算は委託費など91万円というから、職員一人の人件費を思えば、驚きの低燃費である。なかなか対応を先に進ませないでいる体制を変えうる有効な手段となるよう期待される。児童福祉でもAIを導入して法的措置などの判断を迅速的確に行うようにすることもできるのではなかろうか。
 労働問題のセミナーである弁護士が言っていたが、悪には怒りを持って対峙することも必要だそうだ。長期悪質な相手には正義感と、時には戦闘意欲を持って、厳正果敢に臨むような心構えも必要だ。


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Posted by 青山拓水 at 11:24│Comments(0)ひねもす
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